★☆救う会全国協議会ニュース★☆
(2008.08.14-2)



★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2008.08.14-2)

■今回の日朝実務協議の結果について

北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会会長代行 西岡力

制裁は効いている

北朝鮮が今回、見返りに求めてきたものは二つである。米国のテロ支援国指定解除と、わが国の制裁解除だ。この二つとも、飴と鞭というたとえで考えると、鞭の軽減を調査の見返りとして求めてきている。これは、これまでの拉致問題を巡る交渉とは大きく異なっている。これまで、北朝鮮は拉致問題に関する調査を合計4回行った。1998年、2000年、2002年、2004年である。この4回はすべて飴、すなわち食料や大規模経済支援の提供を約束されてはじめて拉致問題の調査に応じた。先述の通り今回は制裁の軽減が彼らの要求だった。制裁は大変効いているということだ。

とくに、今回、北朝鮮が「朝鮮総連の『弾圧』や我が国による北朝鮮に対する措置に対する批判等」(外務省作成「日朝協議の概要」)をしてきたことは、それだけ、2005年安倍官房長官就任以来、わが国政府が進めている「現行法制度の下での厳格な法執行」(拉致対策本部作成「拉致問題における今後の対応方針」2006年10月)が効いていることを意味する。わたしたちは制裁と国際連帯の圧力によって、北朝鮮を拉致問題の交渉の場に引きずりだすことには成功したのだ。その点、自信を持つべきだ。そして、だからこそ安易に効果を上げている制裁を安易に解除してはならない。

山崎拓、加藤紘一、岩国哲人氏ら融和派議員らは膠着状態を打開するために超党派の議員団で訪朝すると語っていた。しかし、彼らが北朝鮮に行く前に、北朝鮮は拉致問題での協議に応じた。しかも、彼らが批判の的にしていた中山恭子氏が補佐官から拉致問題担当大臣に格上げされた直後に、協議は進んだ。山崎氏らは「安倍政権以降の制裁の圧力で北朝鮮を交渉に引きずりだす」という政策が膠着状態を生んだと批判してきたが、それは間違いだということを北朝鮮が行動で証明したわけだ。

北朝鮮の狙いは何か

北朝鮮が「全面的調査」でどのような回答をしてくるのかは、予断を許さない。それなのに、調査委員会立ち上げの時点で、制裁の一部解除を行うことは拙速だ。すべての被害者が帰国する道筋ができるまで絶対に制裁を解除すべきではないと改めて強調したい。

一方、「生存者を発見し帰国させるための、拉致被害者に関する全面的な調査になる」という合意がなされたことは一定の評価ができる。でたらめな回答が出てきたり、調査がいつまでも続いたりした場合に、制裁を再度かけることはできるからだ。政府内でもそのことについて腹合わせが行われているときく。

北朝鮮の狙いが、対日交渉を遅延させて核問題を巡る交渉だけをどんどん進めて「拉致にこだわる日本」を6者協議の中で孤立化させようとすることだとすると、「迅速に行われ、可能な限り秋には終了すること」と約束させたことでその実現はある程度困難になったといえるだろう。

北朝鮮の狙いが、朝鮮総連などに対するわが国の法執行をやわらげ、日朝正常化をめざし対日交渉を進めることにあるのかもしれない。その場合でもきちんとした調査を実施して被害者を帰国させる可能性と、新たにねつ造した死亡証拠提出の可能性の二つがあり得る。後者の場合、これまでの北朝鮮のやりかたからして、横田めぐみさんの両親をターゲットにして、孫との再会や「遺骨」を使ってあらたな揺さぶりをかけてくることが想定される。しかし、たとえば孫にウソをつかせてそれが発覚したり、もう一度偽遺骨を出してきたりした場合、日朝関係は現在よりももっと悪化する。

一番懸念されるのは、生存者を現段階で傷つけたり殺したりして「遺骨」を作り出すことだ。しかし、強調しておくが、日本の最新技術ではDNA鑑定でその骨がだれのものかを特定するだけでなく、おおよそいつ死んだのかについても調べることができる。めぐみさんたちが2008年に死んだことが判明すれば「虐殺」である。そうなれば、わが国は個別的自衛権を発動し、国連安保理での軍事制裁を求めるべきだ。日朝関係は最悪になり、国交正常化など不可能になる。

北朝鮮がこの段階でなぜ、この時点で北朝鮮が口約束ではあるが態度を変えたのか。すなわち、「拉致は解決済み」とする従来の立場を覆し「被害者に関する全面的な調査」を実施することを約束したのか。その真相は、この秋に出される調査結果がどのようなものになるかで判明するだろう。

今、私たち家族会・救う会は、政府が効果を上げている制裁を安易に軽減することなく、北朝鮮の出方を慎重に見極め、全被害者救出に向けて最善の努力をするように厳しい働きかけを続ける時期だ。




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