★☆救う会全国協議会ニュース★☆
(2019/05/14)



★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2019.05.14)

■北朝鮮による時間稼ぎと人質外交は容認できない 横田拓也さんNYで訴え

 以下は、先週の5月10日にニューヨークにおいて開催された日本政府主催の北朝鮮人権問題シンポジウムで、横田拓也・家族会事務局長が訴えたものの全文です。
 また飯塚耕一郎・家族会事務局次長も訴えましたが、5月3日にワシントンのハドソン研究所・北朝鮮人権委員会・日本政府共同主催「北朝鮮拉問題セミナー」における訴えと同じものです(全文は5/7メールニュース)。

■時間稼ぎと人質外交は容認できない

 皆様、こんにちは。私は北朝鮮によって拉致された横田めぐみの弟の横田拓也と申します。

 本日は、モデレーターのグレッグ・スカラトー北朝鮮人権委員会事務総長のお力添えに対し、先ず最初にお礼申し上げます。

 私の姉の横田めぐみは1977年11月に新潟市にある中学校からの下校途中に北朝鮮の工作員達によって日本の地から強制的且つ暴力的に拉致されました。私の姉は当時わずか13歳という若さです。何の罪もない民間人でありそして13歳の少女が何故この様な酷い目に遭わなくてはならないのでしょうか?脱北した北朝鮮の元工作員の話によれば、当時姉は北朝鮮の工作船の船底に押し込められ、鍵の掛かった部屋の中から必死に「お母さん助けて!」と泣き叫んでいたと言います。指先は血に染まりドアを叩き続けていたと言います。

 拉致をされてから41年が経とうとしています。北朝鮮はどこまで拉致被害者達とその家族を苦しめれば気が済むのでしょうか?こんな酷い話が許されて言い訳がありません。

 北朝鮮が拉致したのは日本人だけではありません。韓国においては朝鮮戦争時の拉致被害者は10万人以上に上るとされ、それ以降の平時における拉致被害者も3800人を超え、その内の500人以上が捕えられたままです。タイ・レバノン・ルーマニア等の広範囲な国にに跨る深刻な問題なのです。

 人権問題の観点から言えば、2500万人の北朝鮮国民も自国内で事実上拘束され、自由社会から拉致された被害者である事を忘れてはなりません。想像を超えた過酷な毎日。食糧と呼べる様なものはほぼ手にする事は出来ず、家族同士でも密告を強いられ、移動の自由や発言の自由も一切与えられていない毎日。冬になれば暖を取る事も出来ない苦しい日々。私達が毎日普通に生活している視点からはこの地獄絵図の水準を想像する事は難しいのかもしれません。しかしながらこれは現在進行形の北朝鮮当局によって意図的に形成された人権侵害の実情なのです。

 拉致された各国の拉致被害者達も厳重な管理下のもとで全ての自由を奪われた極めて貧しい生活を強いられています。彼らを救い出す必要があります。遠い知らない世界で起きている事件でもなければ、遠い過去に起きた悲惨な歴史を振り返っている訳でもありません。現在進行形の看過出来ない問題なのです。私達一人一人が何をしなければならないかを真剣に考え、それぞれの所属する国の政府に強く働き掛ける責任があります。人類として、後世の若者達に「無責任な大人達」と非難される事が無いように、勇気ある行動に出る必要があります。

 本日、ワームビア家・スネドン家・パンチョイ家の皆様が勇気をもって集まって下さっています。それぞれが自分達の家族が酷い目に遭い、苦しい中にあります。私もその一員であり、その皆様の心の内を察すると共に彼らの勇気ある行動に敬意を表します。私達の心は、固い絆と友情で結び付いています。そして「自分達の家族を酷い目に遭わせた北朝鮮当局を絶対に許す事はない」という気持ちで繋がっています。

 先週、ワシントンDCでハドソン研究所・HRNK・日本政府共催のセミナーが開催され、その席で私はこう発言しました。「私はワームビアご一家から「オットー」と刻まれたバッジを頂きました。私は今、そのバッジを手に握りしめ必死
に訴えています。私の声であり、横田めぐみの声であり、オットー君の「声無き声」です」と。どうかご出席の皆様、私の声に耳を傾けて下さい。心で受け止めて下さい。

 米朝首脳会談が二回開催されましたが、北朝鮮には非核化の意志など全く無い事を世界は目撃しました。事実だけから言えば、北朝鮮は米国を騙そうとしたのです。

 北朝鮮は核開発をはじめとする軍事費に膨大な資金を投じ、北朝鮮国民の生活を踏みにじり、拉致被害者達を苦しめています。つまり、拉致事件をはじめとする人権侵害問題と核問題は表裏一体の関係にあるという事です。北朝鮮当局が考え方を改め、豊かな国民生活を追求し、世界から受け入れられる行いを約束すれば明るい未来を描けるのです。三回目の米朝首脳会談が開催されるかは全く不透明ですが、前回までの様な米国を欺くやり方は二度と通用しません。万が一米国の求める完全かつ不可逆的な非核化を受け入れたとしても、米国は北朝鮮への経済支援を負担しません。その多くを日本が負担する構図になっています。しかしながら日本政府及び私達拉致被害者家族の一枚岩の方針は、「全拉致被害者の即時一括帰国無くして北朝鮮への経済支援はしない」と一致しています。つまり、日朝間の拉致問題解決せずして米朝間の非核化交渉は前進出来ないのです。

 私達拉致被害者家族が求めている点は一つです。全拉致被害者の即時一括帰国であり、段階的解決や部分的解決は受け入れられません。これ以上、北朝鮮による時間稼ぎと人質外交を容認する事は出来ません。

 北朝鮮は「双方の国に連絡事務所を設置しよう」「調査委員会を設置して調べてはどうか」と言う様な聞こえの良提案を工作・画策していると言います。北朝鮮当局は拉致被害者達を24時間厳重な管理下で監視しています。どこで誰が何をしているかは常に把握しているのです。調査など必要が無いのです。「調査すれば何か分かるかもしれない」という聞こえの良い提案は死亡を前提とした北朝鮮の時間稼ぎの常套文句に過ぎません。この様なレトリックに騙されてはなりません。

 私達は過去から、そしてこれからも同じことを言い続けます。そして求め続けます。「拉致した全拉致被害者を即時一括帰国させよ!」。「恐怖と暴力での統治ではなく、北朝鮮国民から真の意味で尊敬されたリーダーになり、明るい未来を描いて欲しい」と。

 私の姉の横田めぐみは、とても明るく楽しい性格で、会話と笑顔の絶えない太陽やヒマワリの様な存在でした。勉強熱心で様々な事に興味と関心を持ち、きっと明るい自己実現の夢を持っていたと思います。「いつか誰かが助けてくれる」「日本に帰りたい」「お父さん・お母さん・弟達に会いたい」、と待っている筈です。この場に居る私達の意志と勇気さえあればその彼女の思いを叶える事が出来ます。姉の帰りを待つ両親は二人とも80歳を超えています。父は昨年4月に体調を崩し今も入院したままです。北朝鮮の人質外交により両親と姉が再会出来ないという事が絶対にあってはなりません。

 北朝鮮のこれまでの行いを見る限り、そして米朝首脳会談の結果を見ても分かる通り、こちらが善意の解釈で臨んでもそして「対話」に偏重した交渉形式では彼らは正直な回答をする事はなく、また誠意ある正しい結論を出す事はありません。対話と交渉は重要ではありますが、その対話と交渉に意味を持たせるための後ろ盾、つまり北朝鮮への強力な経済制裁を課し、全拉致被害者の即時一括帰国が果たされるまでそれを緩めない事が重要です。

 北朝鮮が明るい未来を描くためには日本と真摯に向き合い拉致問題の完全解決を必要とします。米朝の二国間外交と連動する形で日朝の二国間の交渉と場合によっては首脳会談も考えられます。日本政府においては、北朝鮮への要求水準を下げることなく毅然とした外交交渉をして欲しいと思います。そして世界各国にも求めます。助けを求めている拉致被害者達と自由を奪われている北朝鮮国民を助け出すために、自国の政府に働き掛けを行って下さい。これ以上、北朝鮮当局の暴挙と時間稼ぎを許してはなりません。

 今日のシンポジウムにより更にこの場に居る者全員が連帯し、北朝鮮当局に対し正義と平和の意志を突き付けましょう。
皆様のお力添えをお願い致します。有難うございました。

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