★☆救う会全国協議会ニュース★☆
(2007.07.17)


★☆救う会全国協議会ニュース★☆ (2007.07.17)


 以下は、7月11日付けの産経新聞「正論」に掲載された西岡力・救う会常任副会長の論文です。家族会・救う会がなぜ米国の「テロ支援国家指定」の掲載理由に拉致問題を含めるよう活動してきたのか、「テロ支援国家指定」とほぼ同様の日本独自の効果をもたせるために朝鮮人権法改正案を働きかけてきたのかが分かりますのでご参考にしてください。


■北朝鮮人権法改正案の成立の意義

≪テロ国家指定解除の動き≫

 年金問題などで与野党が激しく対立していた6月末の国会で、北朝鮮人権法(拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律)の改正案が自民・民主・公明3党の合意のもと、議員立法で成立した。この改正案の持つ意味についてあまり知られていないのでそのことを論じたい。

 金正日政権は現在、米国にテロ支援国家指定を解除するよう求めており、米国は作業開始を約束した。正確にはテロリズム・スポンサー・ネーション指定であり、大韓航空機爆破事件などを契機に1988年法律によって定められた制度だ。指定は年1回、国務省が大統領などの承認を得て行っており、北朝鮮は当初から毎年指定され続けているが、理由はよど号ハイジャッカーをかくまっていることや大韓機爆破テロなどだった。

 指定されると米政府はその国に対して人道支援以外の経済協力ができず、そればかりか世界銀行、アジア開発銀行など米国が出資する国際金融機関がその国に融資しようとする場合、米国政府が自動的に反対し、結果として融資は不可能となる。

 実は、北朝鮮の指定が解除される直前までいったときがある。2000年金大中大統領が訪朝し南北首脳会談が開催されたが、金大中大統領は北朝鮮に大規模な経済支援を約束していた。そのとき韓国は北朝鮮をアジア開発銀行に加盟させるよう動いた。そして、米国クリントン政権もテロ支援国家指定解除作業を進め、アジア開発銀行からの大規模融資を後押しした。

≪米も「拉致はテロ」認める≫

 今から考えると信じられないが2000年10月米国は北朝鮮と「テロ反対共同声明」を出して、協力してテロと戦うと宣言した。その宣言によって北朝鮮はテロ国家でなくなったと議会などを説得しようとしたのだ。あの時の大統領選挙でブッシュ現大統領でなくゴア候補が当選していれば、テロ支援国家指定解除とクリントン訪朝が実現していた可能性は高い。そうなれば日本政府は、米国からも拉致を棚上げにした北朝鮮支援を迫られるという重大な危機に直面していただろう。

 家族会・救う会ではこのような米国の動きになんとか歯止めをかけようと、「拉致はテロ」とのスローガンを掲げ、北朝鮮をテロ支援国に指定する理由として拉致問題を追加するよう必死で働きかけた。英文資料を議会調査局や議員スタッフに届けることからはじめ、2001年2月には初めての家族会・救う会訪米団を派遣した。そのときは、お金が足りなくて70歳代の高齢の家族にもエコノミーチケットしか準備できずくやしい思いもした。度重なる訪米と、拉致議連のバックアップ、主として2002年9月以降の日本政府の尽力もあり、2004年以降は毎年、日本人拉致問題が指定の理由として、国務省の年次報告書に書かれるようになった。

≪日本独自の阻止可能に≫

 拉致はテロであるから、拉致問題の解決がない段階での米国の指定解除には断固反対すべきだ。だが、米国にばかり依存するのでなく、日本が独自に北朝鮮への融資に反対しなければならない。

 米国のテロ支援国家指定制度のような法的根拠を日本でもつくるべきだと、今年3月の家族会・救う会は新運動方針に盛り込んだ。その要求を入れ、自民、民主、公明3党の政策責任者、拉致議連関係者らが動き、昨年議員立法で成立した北朝鮮人権法に「政府は、その施策を行うに当たっては、拉致問題の解決…に資するものとなるよう、十分に留意するとともに、外国政府及び国際連合、国際開発金融機関等の国際機関に対する適切な働きかけを行わなければならない」(傍点は西岡)の条項を追加する改正案がまとまり、6月29日、与野党の圧倒的多数で成立した。共産党と社民党は反対した。

 ここでいう国際開発金融機関とはアジア開発銀行など北朝鮮が融資を狙っている国際機関のことだ。つまり日本は「拉致問題が解決されない限り経済支援をしないだけでなくアジア開発銀行などの融資に反対する」ことが法律で明記された。

 この改正案によって米国のテロ支援国家指定制度が定めた制裁とほぼ同様の効果が生まれた。金正日政権に対していくら米国国務省と核問題での取引を進めても、拉致問題が動かなければ日本からの経済支援は一切期待できないだけでなく、彼らが狙っているアジア開発銀行などの国際金融機関からの融資も大口出資国の日本の反対により不可能になるというメッセージを伝えられたのだ。
(にしおか つとむ)



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