★☆救う会全国協議会ニュース★☆
(2007.01.30-2)


 下記は、1月28日付け、産経新聞「正論」欄に掲載された西岡力・救う会常任副会長の原稿です。山崎拓氏の訪朝に関するもので、参考資料としてお知らせします。

 ■拉致解決妨げる山崎氏の訪朝−誤ったメッセージ発信の危険あり

【正論】東京基督教大学教授・西岡力 
 ≪日本は絶対譲歩しない≫

 1月はじめ、自民党の元副総裁、山崎拓氏が北朝鮮を訪問した。山崎氏は訪問後の記者会見で「圧力だけでなく対話も必要であり、一応の役割を果たしたと思っている」と語った。しかし、筆者は山崎氏の訪朝は、金正日政権に対して間違ったメッセージを発信した大変危険なものであると考えている。

 安倍政権は、拉致被害者全員奪還と北朝鮮の核武装を認めないという点で日本は絶対に譲歩しないが、金正日政権との対話の窓口はいつでも開いていると伝えている。金正日政権はいま、安倍政権との対話を拒否している。日本にとって大切なことは、安倍政権の方針を支持し、対話に応じない金正日政権に対して圧力をかけ続けることだ。ところが、山崎氏は、政府間対話が中断している理由が安
倍政権の圧力行使であるとする北朝鮮側主張に同調して、対話に応じない金正日政権を責めずに、安倍政権を批判した。
 金正日政権は山崎氏の言動とそれを大きく報じる日本のマスコミを見て、このまま日本との対話を拒否し続ければ日本では安倍批判が高まり、譲歩してくると誤解したかもしれない。

 一昨年9月、米国ブッシュ政権はテロとの戦争の一環で立法された愛国者法311条を発動して、世界中の銀行に、米国との金融取引を続けたいのであれば、「犯罪国家」北朝鮮との金融取引をやめよという警告を発した。このいわゆる金融制裁(米政府は「法執行」措置と呼ぶ)は多大な効果を上げている。

 ≪「法執行」制裁を進める≫

 実は、それとほぼ同時期に安倍現総理が官房長官に就任し、日本版「法執行」制裁を果敢に進めてきた事実はあまり広く知られていない。例えば、日本政府は朝鮮総連を相手に600億円の債務返還訴訟を起こしている。ある総連関係者の話では全国の総連の総資産は100億円程度というから、この裁判に政府が勝てば総連の全資産が競売されることになる。警察も北朝鮮と総連関係者による違法行為を厳しく取り締まり続けている。1月18日に警察庁の漆間巌長官は会見で「北朝鮮が困る事件の摘発が拉致問題を解決に近づける。そのような捜査に全力を挙げる」「北朝鮮に日本と交渉する気にさせるのが警察庁の仕事。そのためには北朝鮮の資金源について事件化し、実態を明らかにするのが有効だ」と述べている。

 追い込まれているのは安倍政権ではなく金正日政権だ。安倍政権は総理を本部長とし全閣僚が加わる拉致問題対策本部をつくり、中山恭子氏を事務局長とする常設の事務局を設置して内閣の最優先課題として取り組んでいる。昨年10月16日には同本部の初会合が開かれ、次の6項目から成る「拉致問題における今後の対応方針」が決められた。

 (1)すべての拉致被害者の安全確保と即時帰国を要求(2)北朝鮮側の対応等を考慮しつつ、更なる制裁措置を検討(3)厳格な法執行を引き続き実施(4)情報の集約・分析と国民世論の啓発強化(5)「特定失踪者」など拉致の可能性を排除できない事案の捜査・調査推進(6)国際的な協調強化−。

 これらはこれまで関係者が政府に繰り返し要請し、また国民運動として取り組んできた課題である。政府は北朝鮮の死亡通告を信じておらず、横田めぐみさんたちすべての被害者の生存を前提に救出に取り組んでいる。また被害者は政府認定17人には限らないという認識をも繰り返し明らかにしている。

 ≪被害者全員を即時帰国≫

 10年前、拉致家族が実名で名乗りを上げて救出運動に立ち上がった。その時まで政府も政治家もマスコミも拉致被害者を放置し救出に取り組んでこなかった。北朝鮮でとらわれている被害者の身に危険が及ぶかもしれないという不安と戦いながら立ち上がったのは、このままでは何も動かないまま終わってしまうという危機感のためだった。

 彼らは自分の子供だけが助かればよいとは考えていない。有本恵子さんの母の嘉代子さんは「何人かだけ帰ってくるというのは、受け入れられない。自分の娘だけ帰ればいいとも思わない。すべての人を帰せと言い続けるしかない」と山崎訪朝を厳しく批判している。認定、未認定を問わずすべての被害者の安全確保と即時帰国こそ国民の願いなのだ。

 ある与党議員は最近「被害者は生きていると思うか」という拉致家族の質問に答えて「分からない」とテレビの生番組で語ったという。山崎氏の訪朝や一部議員の発言は金正日政権を誤解させ拉致問題解決を妨げるものだ。(にしおか つとむ)



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